ブログ一覧に戻る
業務効率化

「なんとなく」で回っている業務の見つけ方—社長が見落とす3つのサイン

属人化・曖昧・例外だらけの業務を、システム化の前に発見する

2026年1月3日伊藤翔太7分で読める
7
「なんとなく」で回っている業務の見つけ方—社長が見落とす3つのサイン

概要

「うちの業務はちゃんと回っている」——社長の多くはそう思っています。でも、よく見ると「なんとなく」で回っている業務が必ずあります。担当者の経験と勘に頼っている。ルールが曖昧で、人によってやり方が違う。こうした業務にシステムを入れても、失敗します。この記事では、「なんとなく業務」を発見するための3つのサインをお伝えします。


「なんとなく」で回っている業務の危険性

「なんとなく」で回っている業務は、一見すると問題がないように見えます。

  • クレームは出ていない
  • 大きなミスもない
  • 毎日なんとかこなしている

でも、これは「問題がない」のではなく、**「問題が見えていない」**だけ。

実際には、こんなリスクを抱えています。

  • 担当者が辞めたら、誰も引き継げない
  • 忙しくなると、ミスや漏れが発生する
  • 新人が入っても、教育に時間がかかる
  • 品質がバラバラで、顧客満足度が安定しない

「なんとなく」は、時限爆弾です。


サイン①:「あの人に聞かないとわからない」がある

これが最も危険なサインです。

「その業務、どうやってるの?」→「○○さんに聞いてください」

この会話が出たら、赤信号。

その業務は「○○さんの頭の中」にしか存在していません。マニュアルもない、引き継ぎ資料もない。○○さんが休んだら止まるし、辞めたら終わり。

よくある言い訳

「○○さんは長いから、任せてる」 「○○さんが一番詳しいから」 「忙しくて、マニュアル作る暇がない」

これらは全部、属人化を放置する言い訳です。

発見するための質問

社長が現場を見るとき、この質問をしてください。

「○○さんが明日から1ヶ月休んだら、この業務は誰が代わりにできる?」

「誰もできない」「かなり厳しい」という答えが返ってきたら、その業務は属人化しています。


サイン②:「人によってやり方が違う」

同じ業務なのに、担当者によってやり方が違う。これも「なんとなく」のサインです。

たとえば、顧客対応。

  • Aさんは丁寧に説明する
  • Bさんは簡潔に済ませる
  • Cさんは追加提案もする

どれが正解でしょうか?

答えは「わからない」。なぜなら、ルールが決まっていないから

問題が表面化するタイミング

「人によって違う」は、普段は問題になりません。でも、こんなタイミングで表面化します。

  • クレームが来たとき:「前の担当者はやってくれた」と言われる
  • 新人が入ったとき:「誰のやり方を真似すればいいかわからない」
  • 繁忙期:バラバラのやり方が、混乱を加速させる

発見するための質問

「この業務の『正解』は、どこに書いてある?」

「特に書いていない」「人によって違う」という答えが返ってきたら、ルールが曖昧です。


サイン③:「例外が多すぎる」

業務フローを聞いたとき、こんな言葉が頻発したら要注意。

  • 「基本はこうだけど、○○の場合は違う」
  • 「普通はこうするけど、△△さんのときは別」
  • 「ケースバイケースで判断してる」

例外が多いのは、ルールが現実に合っていない証拠です。

例外が多い業務の末路

例外が多い業務は、システム化が難しい。なぜなら、システムは「ルール」で動くから。

「ケースバイケース」をシステムに落とし込もうとすると、こうなります。

  • 条件分岐が複雑になりすぎる
  • 作っても「使えない」と言われる
  • 結局、手作業に戻る

発見するための質問

「この業務で『いつもと違う対応』をするのは、月に何回くらい?」

「毎日のようにある」「半分くらいは例外」という答えが返ってきたら、そもそもルール自体を見直す必要があります。


3つのサインをまとめると

サイン症状本質的な問題
①あの人に聞かないと担当者依存知識が共有されていない
②人によってやり方が違うバラバラな対応ルールが明文化されていない
③例外が多すぎるケースバイケースルールが現実に合っていない

この3つが1つでも当てはまる業務は、システム化の前に「仕組み化」が必要です。


「なんとなく」を潰す3ステップ

サインを発見したら、次のステップで「なんとなく」を潰していきます。

ステップ1:書き出す

まず、業務を紙に書き出す。

  • 誰が
  • いつ
  • 何を
  • どうやっているか

「頭の中にあるもの」を「紙の上」に出す。これだけで、曖昧さが見えてきます。

ステップ2:統一する

書き出したら、「正解」を決める。

  • この業務は、このやり方でやる
  • 例外はこの3パターンだけ
  • それ以外は上長に確認する

全員が同じやり方をするように、ルールを統一します。

ステップ3:仕組みにする

ルールが決まったら、仕組みにする。

  • マニュアルを作る
  • チェックリストを作る
  • テンプレートを作る

ここまでやって初めて、システム化の準備が整います。


実例:「なんとなく」を潰してからシステム化した会社

ある整体院の例です。

Before:なんとなく状態

  • 予約対応は、受付スタッフ3人が交代で担当
  • Aさんはスプレッドシートに入力、Bさんは紙のメモ、Cさんはスマホのメモアプリ
  • 予約確認の連絡は「気づいた人がやる」ルール
  • 週に1回くらい、予約漏れやダブルブッキングが発生

仕組み化のプロセス

  1. 書き出し:予約対応の全手順を、誰が見てもわかるように書き出した
  2. 統一:全員が「スプレッドシートに入力」「確認連絡は予約受付者が責任を持つ」に統一
  3. 仕組み化:予約受付のチェックリストを作成、壁に貼った

After:システム化

仕組みが整った段階で、予約管理システムを導入。

  • ウェブから予約が入ると、自動でスプレッドシートに反映
  • 施術者にLINEで自動通知
  • 前日にリマインドが自動送信
  • ダブルブッキングはシステムが自動でブロック

結果:予約漏れゼロ、受付スタッフの負担50%減


よくある失敗:仕組み化せずにシステムを入れる

逆のパターンも紹介します。

ある会社が、「なんとなく」のままシステムを導入しました。

結果

  • 「システムの入力が面倒」と現場が使わなくなる
  • 「前のやり方の方が早い」とスプレッドシートに戻る
  • 導入費用だけかかって、何も変わらない

システムは、仕組みを「強化」するもの。仕組みがないところにシステムを入れても、意味がない。


まとめ:システム化の前に、3つのサインをチェックせよ

システム化を検討するとき、まずこの3つをチェックしてください。

  1. 「あの人に聞かないとわからない」業務はないか?
  2. 「人によってやり方が違う」業務はないか?
  3. 「例外が多すぎる」業務はないか?

1つでも当てはまったら、システム化の前に仕組み化が必要です。

「なんとなく」を潰してから、システムを入れる。

この順序を守れば、システム導入の成功率は劇的に上がります。


次に取るべきアクション

今日できることは、これです。

社内を歩いて、「この業務、どうやってるの?」と3人に聞く。

「○○さんに聞いてください」「人によって違います」「ケースバイケースです」

この答えが返ってきた業務が、あなたの会社の「なんとなく業務」です。


株式会社IIWAYO|伴走CTO 社長の思考を、収益を生む仕組みに変える。