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技術ノウハウ

「1000万かけたシステムが使えなかった」社長と、「SaaSは死んでいく」AIコンサルが同じテーブルについた話

AI開発が覆すシステム投資の常識。SaaS終焉の理由と問題発見能力が問われる組織の未来。

2026年4月17日伊藤翔太8分で読める
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「1000万かけたシステムが使えなかった」社長と、「SaaSは死んでいく」AIコンサルが同じテーブルについた話

— 7人辞めても会社が回った。AI時代に残る社員、残らない社員 —

はじめに

先日、あるブラシメーカーの社長室で、面白い会話が生まれました。

登場人物は3人。1000万円のシステム投資で痛い目を見た製造業の社長。AIコンサルティング会社を立ち上げ、企業の業務変革を伴走支援している方。そして私、AI開発による社内システムの内製化を支援しているBANSOU CTO™の伊藤です。

業種も立場もバラバラの3人が、システム開発とAI活用について話し始めたら、驚くほど同じ結論にたどり着きました。

「SaaSのサブスクは死んでいく」「言われたことだけやる社員はもういらない」。

この2つの話は、実は根っこでつながっています。

1000万円が溶けた話

社長がため息まじりに語ってくれました。

「1年ちょっと前にこんな状況だったら、おそらくシステム投資してなかった。投資したばっかりで、四苦八苦してる。1000万くらいかけて、補助金もなしで。あんまり効果がわからない」

よくある話です。何千万もかけて、半年から1年かけて開発して、出来上がったシステムが使いづらい。修正を頼めばまた何ヶ月もかかる。結局ちゃんと使えるようになるまでに何年もかかる。

私自身も会社経営13年の中で、まったく同じ経験をしています。システム会社に頼んで何千万も払って、出来上がったものが使えなくて、修正にまた何ヶ月。保守費用に追加開発費。この悪循環に、どれだけの中小企業が苦しんできたか。

しかし社長が印象的だったのは、この次の一言です。

「でも同じ1000万でも、今だったら効果が全然違う」

「SaaSは死んでいく」

この会話の中で、AIコンサルの方が核心をついた発言をしました。

「"SaaS is Dead"って言われてるのはご存知だと思うんですけど、サブスクリプションのツールが死んでいくのはまさにここでして。基本的には優位性がないので、自分たちで作れちゃう」

私も完全に同意見です。実際、SaaS企業の株価は軒並み下落しています。

なぜか。理由はシンプルです。AIの登場で、システム開発コストが劇的に下がったからです。

従来、企業が業務システムを持つ方法は2つしかありませんでした。何千万もかけてフルスクラッチで開発するか、月額料金を払ってSaaSを使うか。フルスクラッチは高すぎる。だからSaaSを使う。これが今までの常識でした。

しかし今、AI開発ツールを使えば、フルスクラッチのシステムが従来の何分の一のコストで作れます。しかも、自社の業務フローに完全に合わせたオリジナルのシステムです。

SaaSは「みんなに合うように」設計されています。つまり、誰にも100%は合わない。ここが使いづらい、あそこが余計。でもカスタマイズはできない。

自社で作れば、100%自社の業務に合わせられる。しかも修正は数分で終わる。

「新しいすごいサービスが出てきたら?」と社長が聞きました。

私の答えはこうです。「調べて、いいなと思ったら、自社のシステムに取り込んじゃうんです。バージョンアップしちゃう」

SaaSを乗り換えるたびにデータ移行で苦労する世界と、良いものを見つけたら自分のシステムに即座に組み込める世界。どちらが強いかは明白です。

「作る方よりも、引き出す方に時間がかかる」

ここで、AIコンサルの方が重要な指摘をしました。

「どっちかというと作る方よりも、そもそもどういうシステムなのかって引き出す方に結構時間がかかる。情報が出てくるところに、各社時間を割いている」

これは本質です。

AIで開発スピードが100倍になったとしても、「何を作るべきか」を決めるのは人間です。業務フローを理解し、課題を特定し、解決策を設計する。この部分はAIでは代替できません。

私も同じ認識で、こう伝えました。

「システムってツールなので。初めから"これ入れたら全部叶いますよ"なんてありえない。業務フローからやらないと、どうやっても詰まる」

AIコンサルの方も即座に同意しました。「全員がやってる作業が変わっていく。今の人数自体も、特にバックオフィス系はそんなにいらないよねって話になるし、役割自体も変わってくる」

つまり、開発コストが下がったことで、ボトルネックが「作ること」から「何を作るか決めること」に移ったのです。

7人辞めて、6000万円浮いて、何も変わらなかった

ここで社長が、衝撃的な事実をさらりと語りました。

「最近ちょっとヘッドハンティングやら辞めていって、6〜7人抜けたんだけど、会社が普通に回ってる。人件費なんだったんだって話になってきて。6000万ぐらい浮いたんですよ」

6000万円分の人件費が消えて、業務に支障がない。

この事実は残酷ですが、多くの企業で静かに起きていることです。

AIコンサルの方が補足します。

「今のあたりがまさにですね。"家を建てられるかどうか"の方が重要なので。問題発見できて、これが課題だなって思える人しか残らない」

私も同意見です。

「お客様と寄り添えるとか、コミュニケーションを取れる人。言われたことだけやってました、の人はもう全くいらない」

「残る社員」と「残らない社員」の分かれ目

この会話を通じて、3人の意見が完全に一致した「残る社員の条件」があります。

問題を発見できる人です。

「ここ使いづらいんだよな」を見つけられる人。「お客さんがこういうストレスを抱えている」と気づける人。「この業務フロー、もっと効率化できるんじゃないか」と考えられる人。

一方で、こういう人はAI時代に厳しくなります。

指示されたことだけを正確にこなす人。決まった手順を繰り返す人。Excelにデータを入力し続ける人。メールを転送して、それを別のシステムに入力し直す人。

これらの作業は、今やAIとシステム連携で自動化できてしまいます。

社長の会社で7人抜けても回ったのは、残った社員が「問題発見と顧客対応」ができる人だったからです。抜けた7人がやっていたのは、システムで代替できる業務だった。

「やるかやらないかを決めるだけの時期」

会話の終盤で、私はこう伝えました。

「もう作れはするんですよ。それを本当にやるかやらないかぐらいの、もうそういう時期になっちゃってる」

1年前は「AIでシステムが作れるのか?」が論点でした。今は「作れるのはわかった。やるのか、やらないのか」が論点です。

やらない企業に待っているのは、じわじわとしたコスト増と競争力の低下です。SaaSの月額費用は年々上がる。業務は属人化したまま。新しいサービスに乗り換えるたびにデータ移行で消耗する。

やる企業は、自社の業務に完全にフィットしたシステムを、従来の何分の一のコストで手に入れる。修正は数分で終わる。新しい機能は即座に追加できる。そして、社員が「問題発見」に集中できる環境が整う。

「全部やりたいですよね」

打ち合わせの最後、私は思わずこう言いました。

「片っ端からやりたいですよね。2026年に全部やって」

社長も笑いながら「海外もある」と返してきました。

海外こそ、です。ブラウザの翻訳機能と組み合わせれば、多言語対応のシステムも難しくない。海外の代理店向けの発注システムも、現地スタッフが使いやすい形で作れる。

「やるかやらないか」——その答えが出た瞬間、もう動き出すしかありません。

おわりに——同じ結論にたどり着いた理由

経営者、AIコンサル、そしてシステム開発者。立場の違う3人が、同じ結論に至りました。

SaaSの時代は終わりに向かっている。自社で作る時代が来た。そしてその時代に必要なのは、「作業をこなす人」ではなく「問題を見つけられる人」だ。

この結論は、机上の空論ではありません。1000万円のシステム投資で痛い目を見た経験、7人が抜けても会社が回った現実、そしてAIで実際にシステムを作り続けている日々の実感から生まれた、3人の一致した認識です。

御社の中に、「問題を見つけられる人」は何人いますか。そして、その人たちが見つけた問題を、すぐに解決できる仕組みはありますか。

BANSOU CTO™は、その仕組みを一緒に作るサービスです。


株式会社IIWAYO.TECH 代表取締役 伊藤翔太 BANSOU CTO™ — AIを「入口」で終わらせない、伴走型フラクショナルCTOサービス


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